ここのところすべてが堕ちている。というか、堕ちているのは常でその状態が今やっと、「普通」になったタイミング。
ずっと同じ男のことを考えている。
今となっては分かりきったことだけど、わたしとあの人はどう転んでも外で手を繋いで歩く関係にはならない。
アルコールのない夜はない。
もっと言えば、月が隠れている時間に会うこともない。
束の間の夢にふやけて、それが夢だと気付けなくなったわたしの負けだ。
プライドが高く、良くも悪くも自己世界観が強い。
似た者同士がディズニーのアニメみたいに運命の恋に落ちるなんてこと、ない。
ていうかアナとハンスもただの勘違いだったよな。
いつかあの人のとなりで晴れやかに笑う女の子って、どんな子だろう。
ただ、理解しあいたかった。受け入れたのだから、受け入れてほしかった。
あの日のことは、幻にしたくせに、この前の日のことは、ただ最低に笑うだけだ。