思い出した
俯瞰したらすこしだけ、ちょっとだけ、とても嬉しい
20:15、やっと食べ物を口にした
これを書いたら身体を起こすから、まだ心臓が震えているうちに綴らせてほしい
苦しくて苦しくて、胸が引き裂かれるのかと思った
りんちゃん、あなたは紛れもなく私の閃光でした
炊飯器は開いたまま、ベランダにはゴミ袋が積まれて、マットレスは丸裸の、散乱したこの部屋で、荒れた肌とだらしない身体の私をきつく抱きしめて、どうしてあんなに美しい涙が流せましたか
幾度となく不戦敗を繰り返して傷を負ったこころを、りんちゃんが掬い上げてトントンしてくれた
「もう二度と会えないって、死ぬこと以外にあるんだな」
それが私が思う私たちの完璧なシナリオです
パラレルワールドの話、あの時は聞き流したけど、そちらでは一緒にごはんを食べていてほしくて、美術館にも行っていてほしくて、できれば良いセックスをしていてほしい
早く帰ってもらわないとどんどんダメになりそうで、でもこれが今生の別れならと後ろ髪をガッと引かれて、何度も曖昧でごめんね
ヘアゴムも、ライターも、お昼ごはんも、全部私のものにしたかったけど何も答えなくて困らせてごめん
あなたが美味しくごはんを食べてるところを見てみたかった
でもこれは満足度最高位の完璧なクランクアップ
堰を切った涙の滝を何度も受け止めて、よしよししてくれてありがとう
くるしかったの、こんなにさようならが苦しいこと、私にもあったの
それが嬉しかったの
後悔させてやるなんて聞いてなかったことにするし、りんちゃんのセプタムも垂れ眉垂れ目も、いちばんはじめから好きだった笑った顔も忘れてやらない
この大雨にうたれて風邪をひいてしまわないで
アイコスが臭いならそれで私を思い出して
あと、今日みたいに誰かの隣でちゃんと涙を流せるひとでいてね
最初から最後までカッコいい、愛すべき私のプリンちゃんでした
りんちゃん、好きでした、さようなら