おわり
Total Eclipse of the Heart/Glee Cast Version
すべてがおしまいの中、実習明けのマブとおーさかからやって来たその友だちに会ってきた。
外を歩いてじっとり汗をかいたら、夏が始まってたことに気付いて、夏のこういうところが嫌いだったなって思い出してしまった。
金も、身体も、精神も、綱渡り状態です。
いつぶりかのジョッキのビールが喉を通らないし、歩き疲れた足は棒のようで、ただただ、生きた心地なんてものが皆無だった。
でも、よい日だった。今日、私の目の前に居た二人は、私の綱渡りを知らないしあまり気にも留めない。
ゆえの、よい日だった。ありがとう。
いつも「疲れた」を口癖にしているから、こういう本当の限界のときは何を言えばいいか分からない。
お酒も飲めない。たばこも吸えない。身体も心も言うことを聞かない。
ほんとうに、生きた心地がしない。
あいにーじゅなう、とぅないと。
休息以外のなにもほしくない。いらない。さわりたくない。
あいにーじゅなう、とぅないと。
思い出せるのは、思い出してしまうのは、あの人のことで、いつも綺麗に切ってある爪と、伸ばしていた髪と、女みたいに綺麗な肌と、ブーツカットのジーパンと、笑ったときの垂れる目と、こもってる声と、赤西仁のEternalと、ジッポの味。
痛い、自分のしろい手首に、縦に、深く刺さりすぎたカミソリが、鮮血の海に溺れていくその様をただ見つめているみたいな。
そんな、痛みしかない。